株式会社 大久保硝子店/鍛治玲菜さん

1919年創業の株式会社大久保硝子店。日本がまだ大正という時代であった頃のその商いの原点は、ランプ用ホヤガラスや輸入ランプの販売であったそうです。それからすでに100年以上ものときが過ぎ、長いその歳月のなかで世のなかは激しく変化し、大久保硝子を取り巻くビジネス環境もまた激しく変化したことでしょうが、面白いのは今まさにこの瞬間にも同社自身が変化をし続けている、ということ。
一方では長い歴史を積み重ねた老舗企業としての重みを持ちながら、また一方では常に新しいチャレンジを仕掛けていく軽やかな姿勢を忘れていない…。歴史と挑戦が混在しているユニークな会社、という印象が漂います。そして、そういった新しいチャレンジ推進の一翼を担うのは同社の若い社員たちであるとのこと。
そんな若手社員のおひとりで入社3年目の鍛治玲菜さんに、就職活動のこと、会社との出会いのこと、職場選びについて考えるべきことについて、お話を伺います。

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鍛治玲菜さん。秋田県出身。山形大学地域教育文化学部卒業。2021年、株式会社 大久保硝子店入社。現在は業務部に所属している。


どういう就職活動をされ、どういう経緯でこの会社と出会ったのでしょう。


鍛治さん:きっかけは、山形大学のキャリアセンターからの紹介でした。
コロナ禍と就職活動がドンピシャにかぶって、緊急事態宣言によって外出もままならない中でしたから、求人ナビサイト中心に就職活動しました。最初は関東圏の化粧品業界を目指していましたがうまくいかず、やがて美容業界へ、さらにはエステ業界へと視野を広げていくうちに「なんか、こういうので本当に良かったの?」と疑問を感じるようになりました。それで、藁にもすがるような思いでキャリアセンターに行ったところ、紹介されたのは山形の中小企業で、そのうちのひとつが大久保硝子店でした。
そもそも最初は条件面のいい大企業志望でした。でも、社員一人ひとりの個性をすごく尊重してくれたり、小さな意見もすごく大事にしてくれたり、個人を大事にしてくれるのが中小企業の良さだと知ったことによって、これから自分のスキルや経験をフルに活用して働ける場所っていうのはそういうところだと考えるようになりました。

その後、会社説明するために社長が山形大学までわざわざ足を運んでくださったんです。そこで受けた説明というのが衝撃で、それまで受けてきた大企業の説明会と全然違うものでした。というのも、それまで抱いていた中小企業のイメージって、やってることが狭く、身動きが取りづらくて窮屈そう、というものでしたが、説明を聞いてみたら、新卒採用者が新規事業の立ち上げをしていると言うのですごく面白いと思いました。若手でもそういう経験をさせてもらえて、その人なりの個性を尊重してその人ができる仕事を考えてくれる会社なんだっていうことを知って、本当に考え方がガラッと変わったんです。

しかも、そんな話を私ひとりのためにわざわざ大学まで来てくれたんですね。私は正直に、実はそれまで化粧品業界に興味を持って就職活動してきましたっていう話をしたところ、「鍛治さんが本当にしたいことは、うちの会社にはないかもしれないよ」って言ってくださって、逆にその一言が効いたんですね。本当に自分のことを見てこういうことを言ってくれる経営者の人っていなかったので。そこで「いいな」と思いました。

大久保徳朗社長と。


衝撃的な社長との出会いがあって、今のお仕事に就いているわけですが、 3 年目を迎えた今どんな気持ちですか?

鍛治さん:私は業務部に所属しており、ガラスの見積もりや注文などの事務的な作業を主に行っています。純粋に事務職として入社したのですが、実際は営業の人と一緒に商品を提案するプロジェクトに参画したり、採用担当の仕事にも関わらせてもらったりと、単純に目の前にある仕事をこなすだけではなく、私自身を社長が見て「きっとこういうことができるだろう」っていうことで色々な機会を与えてくださるんです。そういった成長の機会をいただいていることがすごく嬉しいですし、 2 年前の入社当時と比べてここまで成長できたんだなって振り返ることも結構あったりします。けれど、もちろんその期待に応えなきゃっていうプレッシャーがかかることもありますから、その壁を越えたいっていう気持ちでそのプレッシャーと戦いながら日々仕事頑張ってます。

鍛治さんからみた大久保硝子店の魅力をあえて一言で表すとどうなるでしょう。

鍛治さん:「個の尊重」に尽きると思います。誰しもみんな違う生き方をしてきてるので、本当にその人が持ってる色、特性、個性、意見ってそれぞれですけど、例えば営業の人でもその人自身によって売り方のスタイルは全然違うわけです。なので会社の方からなにかを強要するようなムードっていうのは全然なくて、その人に向いてる仕事、その人にしかできない仕事っていうのが自然と成り立ってる、と思います。人数が少ないからこそ個人個人が自分の役割と責任をしっかりと果たして、協力してやっていくことでパワーを増していくっていうところがある。個人個人をすごく尊重してくれるところが、特にこの会社の魅力だなと感じています。

これから就職活動を始める学生のみなさんに伝えたいことはなんでしょう。

鍛治さん:学生のみなさんを見ていると、私自身もそうだったように、どういう業界かとかどういう条件かとか、そういったところばかりを見て就職活動してしまっている人が多いのですが、そうではなく、「働く」ということに自分がどう関わっていくのかとか、自分の人生のなかで「働く」とはどういうことなんだろうととか、今一度よく考えてほしいと思います。
例えば日常のなかで働く時間をどのくらい設けたいのか。どういう環境に自分の身を置きたいのか。ワークライフバランスはどれぐらいがいいのだろうとか、そういうことを考えてみると、どういった会社が自分に合っているのかっていうのが見えてくるかもしれません。



Company Data 名称 株式会社 大久保硝子店
代表者 大久保 徳朗
所在地 本社 990-0039 山形市香澄町2-2-1 /Tel. 023-642-6470
山形営業所 990-2227 山形県山形市千石68 /Tel. 023-642-1822/Fax. 023-642-8470
  業種 建築資材の卸売・小売
  事業内容 販売店への卸売り、ガラス工事・建具・エクステリア・住設工事(建設会社様、工務店様、一般のお客様)
Webサイト https://www.okubo-glass.co.jp/

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photo & video: Kaho Fuse, Suzuka Sato(strobelight)
text: Minoru Nasu(real local Yamagata




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